スミス社は1851年に時計店として創業し、1880年より時計の生産を開始したといわれています。このモデルは 正に最初期の1880年製です。ケースは銀無垢の英国製で、ロンドン・ホールマークのEが刻印されており1880 製造であることが分かります。文字盤にメーカーロゴなどは一切入らず、メーカー・ディテールはすべてムーブメ ントに刻印されています。時刻設定はベゼルを開けてキーで直接、針の軸を回します。竜頭は付いておらず、ゼ ンマイも、ワンタッチで開く裏蓋をあけてキーで巻きます。ベゼルを開けて6時の位置にあるフックを解除して、文 字盤をムーブメントと共に引き上げて、ダストカバーをロックを解除して持ち上げると、極めて美しい刻印と装飾、 そして大粒のルビーにより彩られたムーブメントが表れます。使用するには構造をある程度理解した上でないと
難しいところは戦前の自動車を扱うが如きで、とても趣味性の高い懐中時計であるといえるでしょう。
130年以上の年月を経た、そして、実際に頻繁に使用されていた個体としては、信じられない程の素晴らしい状 態といえるでしょう。レンズはアクリル製に交換されていますが、他の部品に関しては恐らくオリジナルであると思 われます。文字盤にはわずかなカスレ(7時部分)とスモールセコンド文字盤周囲にキズとベゼルを閉めると分か りませんが、文字盤のスモールセコンドの下にヘアラインが見られます。また、銀無垢ケースにも、多少のキズ、 ヘコミ、コスレなどがありますがありますが、通常の使用によるもので不自然な箇所はありません。また、修復し たところも無いようです。動作は極めてスムーズで歩度も安定しています。
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