1946年に生産された最初期の1215モデルです。銀無垢のクッションケースは3ピースのデニソン社製で、裏蓋にはインペリアル・ケミカル・インダストリー社の刻印があり1940年に勤続25年を迎えた際に贈られたアイテムであることが分かります。ただ、ここで、誰の脳裏にも大きな疑問が浮かぶことでしょう。つまり、1946年に生産された時計を1940年に贈ることはタイムマシンがなければ不可能なことだからです。この謎を解くカギは第二次世界大戦にあります。つまり時計を贈るはずであった1940年は戦時中であったため、終戦後の1946年以降に贈られたということなのです。こんな、謎めいたヒストリーもこの時計の魅力となるのではないでしょうか。文字盤は1215のスタンダードである、アルミ製のシルバーカラード・ダイヤルで、3針は焼き入れされたブルースチールハンズです。ムーブメントには15石が搭載され当時のフラッグシップモデルといえます。ケース幅:30mm。
コンディションはケースの表面的な浅いキズ、文字盤のSMITHSロゴ右側のキズ、そして4時と5時の間にある汚れなどが見られますが、全体には極めて美しい状態を保っています。ただ、竜頭は1950年代のスミス用、そして、ムーブメントは1215の初期金メッキ・モデルに変更されています。そのため、価格はだいぶお求めやすい金額となっています。また、レンズとベルトは新品です。 |