| 1950年代の初期に生産された1215モデルです。1215は戦後初のスミス自社製ムーブメント搭載のハイクウォリティー腕時計で、デラックス発売以前のモデルとしてリリースされました。当時はデラックスやアストラルなどのモデル名が特になかったため文字盤にはSMITHSのロゴのみがプリントされていました。カタログなどにはムーブメントの名称である1215(トゥウェルブ・フィフティーン）と記載されており通称として使われています。1215はシンプルかつトラディショナルなデザインが魅力で、目立った個性はないものの、最も英国的でスミスらしいところが、スミス愛好家に人気を得ておりコレクターにはマスト・アイテムとなっています。この1215は、後期モデルであるため、1215にありがちな耐久性の問題などのトラブルがほとんど発生しないため実用的な1215としても注目されています。そのため、1215でありながら、文字盤や針のデザインなどは初期のデラックスに近くムーブメントも熟成されています。ケースは金メッキの2ピースが採用されていますが、特徴的なのは、本体もSS素材を使用していることでしょう。つまり、ケースの材質は本体、裏蓋共にSSですが、本体のみに金メッキが施されています。ムーブメントは裏蓋に埋め込まれる方式で、SS製の本体と共に極めて剛性の高いケースと言えます。また、ムーブメントは初期のデラックスと同等の熟成された1215Cタイプ15石キャリバーということになり、極めて高い信頼性と精度を誇っています。外径：31.8mm。
コンディションは、使い込まれてケースの各部にはメッキの擦れや剥がれ見られます。また、文字盤や針はエイジングが進み色褪せや腐食なども見られます。ただ、正しく使い込まれてきた道具だけが持つ、美しいともいえるエイジングがヴィンテージウォッチらしい魅力的な外観を作り上げています。また、ムーブメントは、度重なる修理やオーバーホールを受けてきており、その外観とは裏腹に極めて良好な動作を示しています。また、ウォッチギャラリー・ビッグベアーにて、的確な整備をさせていただいておりますので、日常の時計としても充分にご使用いただける状態です。使い込まれたヴィンテージの味わいと新品当時のスミスの性能が発揮された特にお薦めの1215モデルと言えます。
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