■特別な意味を持つエベレスト登頂記念モデル!
1953年、英国の登山隊に所属していたオーストラリア人のエドモンド・ヒラリー卿がエベレストへ初登頂を果たしたのは周知のこと。しかし、その時、ヒラリー卿の腕にスミス社製腕時計が極寒の環境にもかかわらず、完璧に動作していたことを知るのは、スミス愛好家であっても少ないのではないでしょうか。実際にヒラリー卿が腕に着けていたのはスミス・デラックスのデュオトーン・モデルでしたが、そのニュースを記者会見で知ったスミス社はスミス腕時計のフラッグシップ・モデルとしてエベレストの名を冠した新製品を発売することを決定したのでした。スミス社は、その後幾つものエベレスト・モデルをリリースしましたが、その中でも、最も意義深いモデルが、このエベレストと言えるでしょう。実際にエベレストの山頂に初登頂したスミス・デラックスのデュオトーン文字盤のデザインを、そのまま生かしEVERESTのモデル名を入れたこのエベレストは、まさにエベレスト初登頂記念モデルと呼ぶにふさわしいエベレストでした。ケースは9金無垢の、最上級、3ピースを採用し、ムーブメントには、あえて、当時のデラックスと同じ15石を搭載しています。その後も、19石のスイス製ムーブメントに近いキャリバーを搭載したモデルも登場していますが、このモデルは、エベレストの中でも、最も、エベレストが誕生した由縁に即した特別な意味を持つエベレスト登頂記念モデルと言えるでしょう。外径:31.8mm。
■限りなくデッドストックに近いコンディション!
状態に関しては、写真をご覧頂ければお分かりの通りで、ケースには極めて微細な使用キズや磨き傷などが見られ、文字盤も周囲には、肉眼ではほとんど分からない極めて微かなエイジングが見られますが、ほぼ未使用で保管されてきた極めて美しい個体であるといえます。また、ムーブメントに関しましては、一度もオーバーホールを受けた形跡はなく、今回、手前どもで初めてのオーバーホールを行ったことからもお分かりいただけるように、ほとんど使用されていない個体と言って良いでしょう。分解時には、オイルは乾燥していましたが、各部品は全くと言ってよいほど消耗しておらず、注油、組立後は、新品当時の歩度を示しています。 |