1950年代英国スミス社製 SS & ニッケルクローム 1215 15石手巻腕時計 3年間保証付
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【 1215とは 】

戦後、ジャガールクルトの技術者であるロバート・レノア氏を招き入れ、スイスの技術を注ぎ込んだ初の英国生産モデルである1215。シンプルで地味な存在ながら、スミスらしい個性に満ち溢れています。

【 信頼性の高い1215の末期モデル 】

1215(トゥウェルブ・フィフティーン)モデルは戦後間もなくの1946年より、スイス、ジャガールクルト社の技術を投入した設計により世界水準の英国製腕時計の生産を目指し開発されたプロジェクトでした。1940年代の初期モデルは、材質の選択に問題があり、耐久性に劣る部分が指摘されていましたが、1950年代に入りムーブメントの見直しが成され高い精度と耐久性の向上した1215末期モデルが登場しました。このムーブメントは1952年に登場したデラックスの最初期モデルにも搭載されています。


【 最もスミスらしいデザインと言われている1215モデル 】

この1215は、1950年代に生産された信頼性の高い末期モデルです。そのため1215のデザイン性とデラックスの信頼性が共存する約3年間という短期間生産された理想的な1215と言えます。

  ステンレス・スチール製裏蓋と、ニッケルクローム製の本体3のケースはオーソドックスな形状ですが、本体側面にはヘアライン加工が施されるなど、さりげないデザイン性が個性を生み出しています。また、文字盤は通常の1215のアルミ地肌に加え薄っすらとホワイトのコーティングが施され独特なマットなサーフェイスとなり、このモデルの特徴と言えます。3針は伝統的な青焼針で、シンプルな直線的なデザインが1215らしい魅力となっています。ムーブメントは初期のデラックスにも搭載された1215キャリバーで、信頼性が飛躍的に向上しています。外径:31.2mm。

【 1215としては異例の美しさを誇るミント・コンディション 】

3ピース・ケースには、表面的な浅い使用キズや微かなクスミ、そして裏蓋の微細な腐食キズは見られますが、全体に1950年代初期モデルとしては異例な美しさを保っています。文字盤の中央、8〜9時エリアに、わずかなエイジングが見られますがほぼ新品に近い状態です。そしてムーブメントに関しましては、使用頻度が少なかったため、オーバーホール後は工場出荷時に匹敵する精度を保ち姿勢変化による歩度の乱れも最小限と言えます。スプリング類の消耗品も交換済みですので、3年間保証が付帯し日常の時計として安心してご使用いただけることでしょう。



















「ステンレスとニッケルが織りなす美意識」
 
ホーンラグの多い1215の中でひと際異彩を放つ存在なのが、このステンレス・スチール・バックの3ピース・ケースです。

スチールと言いながらも、実は本体の材質はニッケル・クローム合金が使われています。ラグ周りのボリューム感のある豊かな造形美や、サイドの梨地仕上げ、そして、ステンレスよりも温かみのあるニッケル独特の質感など、スミス直系の英国ケースメーカーならではの美意識を感じさせます。外径:31.2mm。
 
 
 
「アルミの質感を残した特殊塗装の文字盤」
 
1215の文字盤の殆どはアルミの地肌を活かしたシルバー色で仕上げられていますが、このモデルはアルミの材質感はそのままに、言葉では表現し辛い味のある特殊塗装で、薄っすらとコーティングされています。

極めて微妙なニュアンスではありますが、この文字盤の効果は絶大で、このモデルの個性を確立していと言えるでしょう。
 
「独特な形状の1215純正竜頭がサイドビューを彩る」
 
1215の純正度を知る重要なひとつのポイントとして数えられているのが、ひと手間加えられた竜頭の形状と言えるでしょう。スミスの中でも他にない、この竜頭のデザインは、隠れた1215の魅力と言える部分です。

また、このケースのサイドには梨地仕上げが施されているため、より個性的な世界観が造り上げられており、洒落た竜頭と共に、このモデルの奥深さを感じさせる部分と言えます。
 
 
 
「繊細さを際立たせたスモセコ文字盤」
 
シンプルな文字盤の雰囲気をとけ込み、さらに、この文字盤の繊細さを際立たせているのが、スモセコ文字盤のデザインと言えるでしょう。

スモセコは、スモール・セコンド・サブサイダリー・ダイアルの略称で親しまれていますが、このスモセコ、特に一段掘り下げられた部分や、秒針の小ささ、そして、地紋として施されている同心円は、1940年代を思わせるサイズ感と繊細さを感じることが出来ます。
 
「デラックスに近づいた
安心の1215末期ムーブメント搭載」
 
このデラックスの裏蓋は極めて薄いデザインのステンレス・スチール製です。剛性を保ちつつ極限にまでスリムに造り込んだデザインは秀逸です。

そして、裏蓋のサーフェイスにお洒落なヘアラインを施しているところは、隠れたところにも気を遣う女性の心をくすぐるセンスを感じさせます。
 
 
 
「ステンレス・スチール製裏蓋のメリット」
 
ニッケル・クローム製本体の裏側には、ポリッシュしていない荒削りな材質感を見ることが出来ます。そして、その質感とは対照的な表情を見せるステンレス・スチール製の裏蓋とは、相互に引き立て合う効果を狙ったデザインであると言えるでしょう。

裏蓋がステンレス製であることで、ケース全体の剛性を高めています。裏蓋には幾つかの極めて微細なキズがありますが、製造後、約70年を経過した製品としては異例に美しい状態と言えるでしょう。
 
「伝統の青焼針が持つ奥深い魅力」
 
光を受けるとメタリック・ブルーに輝くブルー・スチール・ハンズには、様々な奥深い魅力があります。表向きには、普段はほとんどブラックにしか見えない3針が、光を浴びると南米に生息するモルフォ蝶のように輝きます。

しかし、青焼針の魅力はそれだけではなく、鉄に熱を加えることで生み出す青色は、その時々で微妙に色が異なり味わい深い個体差となり、ひとつとして同じものがない個性を作り上げています。また、戦前から続く伝統的な手法であるため、当時の人々には、この青色を目にした時に安らぎを感じるといった奥深い魅力があります。
 
 
 
「Made in Englandの文字は当時、
高品質の証でした」
 
裏蓋をオープナーで開けると、そこには、誇らしげ にMade in England の文字が刻まれています。当時の工業製品にとって英国製であることは、高品質であることを意味していました。

そこには、長く使える製品を生産するための、正しいところにコストをかけた、質実剛健のスピリッツを感じ取ることができます。