当時の大衆車には時計は装備されておらず、スミスがアクセサリーとして製作したのが、このモーターウォッチ。黒くつや消し塗装されたケースや、インデックスや長短針に施されたルミナス(夜光塗料)が特徴的なデザインです。
▲時刻設定の際には、竜頭を引っ張り出すのではなく、逆に竜頭を押し込みながら回して合わせるとてもユニークな構造。基本の形態とメカニズムは、センターセコンドの懐中時計用を流用していますが、デザインや竜頭の位置、そして、取り付け方法などはこの時計独自の設計となっています。
▲クルマのダッシュボードへは裏蓋の磁石で取り付けます。
▲ルビーなどの石が使用されていないムーブメントゆえの耐久性の問題をカバーするために採用された振動数の少ない4ビートのムーブメント。この時計ならではの振り子が刻むゆったりとしたリズムを味わうことができます。 この個体には当店による整備の施された、未使用のデッドストック・ムーブメントが搭載されており、確かな動作をお楽しみいただけます。